サッカー日本代表の岡田監督、再生可能エネルギーに向けてキックオフ


【PJ 2008年03月24日】− 今年1月、サッカー日本代表監督岡田武史氏が設立発起人代表を務める「地球環境イニシアティブ(GEIN)」の設立が発表された。GEINは再生可能エネルギーを主体とした持続可能な世界を実現するため、日本がこの世界的課題に対する責任ある「イニシアティブ」をとっていくことを最大の目的として活動する任意団体である。岡田監督の他にも、女優の竹下景子さん、前東京ヤクルトスワローズ監督の古田敦也さんら12名が発起人を務める。

 毎日新聞の取材に対し、岡田監督は設立呼びかけの理由を以下の様に答えている。「日本のエネルギー政策は火力と原子力に頼っています。原子力はCO2を出しませんが、放射性廃棄物放射能がほとんどなくなるまで1万年かかるわけです。我々の子どもたちに残すわけにはいかない。第三の道を考えなければなりません。ドイツは2050年までにエネルギーの50%を再生可能エネルギーにするという目標を掲げています。日本は再生可能エネルギーの高い目標を持っていない。環境について、政策提言をしたいと考えています」。

 23日、GEINの設立趣旨に賛同した2000人が集まり、日比谷公会堂で地球環境イニシアティブ(GEIN)シンポジウム「日本発!地球を救うエネルギーアクションを」が開催された。岡田監督は現在バーレーン遠征中のため出席できなかったが、「今日は単なるキックオフ。今日を契機に再生可能エネルギーが広まるように」というビデオメッセージが届けられ参加者の気持ちを盛り上げた。

 最初にGEIN代表の小田全宏氏から日本へのメッセージと題して、7つの政策提言が発表された。

1.再生可能エネルギーの推進を国家の環境エネルギー政策の柱に明確に位置づける
2.2050年のエネルギー消費の50%を再生可能エネルギーでまかなう事を国家目標とする
3.ガソリン税(揮発油税地方道路税)などを再生可能エネルギー普及など地球環境税へ変換する
4.再生可能エネルギーの環境価値を正当に認め、市民参加型の普及システムを構築する
5.公共施設の新築時には、再生可能エネルギー導入を義務化する
6.再生可能エネルギー特区の実現をはじめ、エネルギー自立型コミュニティを創る
7.世界と共同して再生可能エネルギーを普及させる国際プログラムを創る

 中小水力、太陽光、風力、バイオマス有機廃棄物発電、地熱、太陽熱、大規模水力発電、波力、海洋温度差熱発電といったエネルギーを再生可能エネルギーと言う。使ったらなくなるのではなく循環して使っていけるエネルギーという意味で再生可能エネルギーと言われる。反対に有限であり枯渇性エネルギーと言われるのは私たちの今の生活で頼り切っている石油、石炭、天然ガス、ウラン(原子力)である。

 岡田監督が言うように日本が掲げている再生可能エネルギーの導入目標は低い。2014年で1.63%(電力供給の割合)である。ドイツは2030年に45%、米国は2020年に15%、フランスは2010年に21%、中国は2010年に21%の導入目標を掲げている。日本が高い目標を掲げるにはどうしたらよいのか。【つづく】

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